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【今回のテーマ】

「『忖度』ばかりのテレビに未来はあるのか~作り手に訊く 徹底討論」

2012年6月にスタートした黒川塾は、今年で開催から12年目に入ります。ここまで開催、運営ができたことは、ひとえに、応援いただける皆様、登壇いただけるゲストのおかげです。ありがとうございます。

テレビ放送とそのコンテンツの変遷は、ライフ・スタイルの歴史であると言っても過言ではありません。1991年には、BS放送WOWOW、1992年にはCSアナログ放送が開始、2000年にはBSデジタル放送、2003年には地上デジタル放送(地デジ)が放送開始しました。

このデジタル化は 一方でアップルやグーグルの台頭に繋がり、2007年にiPhoneの初代機が登場し、2014年にはイギリスのロックバンド「U2」のアルバムが無料でフル・ダウンロードできることでiPhoneに代表されるスマートフォンの普及に拍車がかかりました。このライフ・スタイルの変化とともに、コンテンツは保有するものから消費するものへと変化を遂げ、さらには、盤石と思われた地上波キー局の制作する番組コンテンツも、海外からの配信という黒船に揺さぶられました。

その先鞭をつけたのは2007年に始まったYouTubeでした。当時、インターネット使ったコンテンツ配信に可能性を感じた人はまだ少なかったと思います。しかし、ユーザーが独自の目線で制作した配信動画がヒットし、新しいコンテンツやYouTuberが次々と誕生しました。

Huluは2011年から日本でのサービスを開始、2014年には日本テレビとの資本提携で関係が強化されました。2015年9月にはネットフリックスがサービスを開始、ほぼ同時期に民放5放送局のコンテンツをネット配信するTVerがスタートしました。もはや、放送コンテンツはかつてない競合関係と、他のネット系エンタテインメントのなかで、可処分時間をどのように獲得するかという大きな命題にさらされています。

かつては、広告の王道だったテレビ番組でのテレビコマーシャル放送告知も、2019年にネット広告へのシフトし、逆転して以来、元に戻る可能性は薄まっています。さらにそれらに拍車をかけたのは、メディアとしての特定事務所への忖度、制作予算の低減による、お笑い、ひな壇トーク、タレントの番宣出演、グルメ、安売り、タイアップ、情報番組など画一的なコンテンツばかりになってしまいました。

今回の黒川塾は、テレビ東京でテレビ番組のプロデューサーとして活躍し、現在は桜美林大学芸術文化学群ビジュアル・アーツ専修教授を務め、1月に新著「混沌時代の新・テレビ論」を刊行したばかりの田淵俊彦氏、同じく、テレビ東京で「YOUは何しに日本へ?」などを制作し、現在は株式会社東京ビリビリ団の代表取締役である村上徹夫氏のお二人をお迎えして開催します。

ライブ開催ならではオフレコ話、360度忖度ナシのテレビの過去、現在、未来、そしてテレビはこれから先もライフ・スタイルと大衆を映す鑑として生き残ることができるかを徹底的にお話しいただきたいと思います。

黒川塾は、どなたでも参加可能です。今回の黒川塾では、同時配信はございません。リアル会場にてのご参加お待ちしております。皆様、感染対策に留意してのご参加お待ちしております。

会場協力、TUNNEL TOKYO、開催提供は株式会社NewStory、株式会社ブレイクスルーです。

■登壇ゲスト (敬称略)

田淵 俊彦(たぶち としひこ)

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1964年兵庫県生まれ。慶應義塾大学法学部を卒業後、テレビ東京に入社。世界各地の秘境を訪ねるドキュメンタリーを手掛けて、訪れた国は100カ国以上。一方、社会派ドキュメンタリーの制作も意欲的に行い、「連合赤軍」「高齢初犯」「ストーカー加害者」などの難題にも挑む。ドラマのプロデュース作品も数多い。2023年3月にテレビ東京を退社し、現在は桜美林大学芸術文化学群ビジュアル・アーツ専修教授。「ドキュメンタリー論」「映像デザイン論」「映像制作(ドラマ)」「映画演出研究」などの講義を担当している。

著書に『混沌時代の新・テレビ論』『弱者の勝利学 不利な条件を強みに変える〝テレ東流〟逆転発想の秘密』『発達障害と少年犯罪』『ストーカー加害者 私から、逃げてください』『秘境に学ぶ幸せのかたち』などがある。

日本文藝家協会正会員、日本映像学会正会員、芸術科学会正会員、日本フードサービス学会正会員。「映像の無限のチカラ」を実践するために、映像を通じてさまざまな情報発信をする、株式会社35プロデュースを設立した。

35プロデュース 公式サイト